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2004.07.14

有意義なIT化

  ITによる業務の効率化という話は、既に口にタコができるほど言われている。しかし実際には、業務プロセスの見直しをせずに既存業務をそのままネット化・自動化した結果、効率向上にはつながらない場合もあるそうだ。

  そんな中、最近、不動産の登記に関わることがあって、これはIT化することが本質的に業務をより理想に近い形にする好例かと思い当たったので、記憶のためにメモ。


  登記とは、第三者に対して自分の権利を主張する(対抗する)ために行うもので、順番が早い方が強い。もうすこし具体的に言うと、役所(登記所)の登記簿に若い番号で記載された事項の方が「強い」のだそうだ。

  普通、商取引は登記所の近くで行われるわけではないので、例えば不動産取引の契約のときは、少し不安を感じる。事前に登記簿を確認してあったとしても、その確認時点から契約書取り交わしまでの間に、何か新たな登記が行われていない保証はない。もちろん仮登記(順位確定)→本登記の手順を踏めばいいのだが、小さい案件の場合は面倒なのか、仮登記は省くようだ。(それってどうなのよ司法書士さん、と密かに思ったのは内緒(笑))

  この手順をよく考えてみると、データベースの排他制御の話にほかならないことに気付く。登記簿というDBに対して書き込みをするにあたって、「他人の書き込みをロックする→現状確認→安心して新たな書き込み→ロック解除」の手順を踏むわけだ。仮登記がロックをかけることにほぼ相当する。

  そう考えると、このプロセスをネット経由で行えるようにすることで、かなりの手間が省けることがわかる。契約当事者が集まったら、皆で端末を覗き込んで、その場で上の手順どおりにDBを操作すれば、その場1回限りで手続きは全て済むわけだ。

  IT化って素晴らしい。

  司法書士さんの出番? それはもう、法律コンサルになる方向で。民事訴訟代理権付与やら扱い限度額の引き上げやらもその方向だし。

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Comments

こんにちは。
仮登記の話が興味深かったのでコメントします。当方イチオウ司法書士です(笑)。

実務上はほぼ全くと言って良いほど仮登記は行いません。ではなぜ仮登記をしないのか?ですが、まず思いつくのはやっぱり、費用が掛かるから、でしょうね。仮登記の手数料(登録免許税)はそれほど掛からなくとも、司法書士への報酬は仮登記でも発生するので、これを抑えるために仮登記を省略する。

もうひとつは、仮登記をしたあとに契約がゴハサンなった時の事を考えてみてください。かえって仮登記をしたことが足かせになってしまいます。もし買主が仮登記の抹消に協力してくれなかったらどうします・・・?

二重取引の危険もありますが、それよりも契約が解消される可能性の方が遥かに高いことを考えると、仮登記を「しない」ほうが安全では、と考える事もできると思います。

ともあれIT化が進んで早くこのようなタイムラグが解消されることを切に願います。

それでは。

Posted by: ヨコスカ | 2004.08.05 10:37 PM

タイムラグ解消、ほんとにできるといいですね。それにしても、仮登記にはいろいろ困る点もあるというお話しは勉強になります。ありがとうございました。

Posted by: hski | 2004.08.06 10:06 PM

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