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2004.07.08

IPv6のアドレス構造と匿名性

  以前の記事「IPv6時代の実名/匿名の共存方式」で、IPv6においても、プロバイダが動的アドレス割り当てを続ければ、ネットの匿名性を保てるかもしれないと考えたのだが、それは楽観的過ぎた。

  結論から言うと、IPv6のアドレスは、プロバイダがどう動こうと、やはり固定アドレスになる公算が大きい。従って、IPv6が普及した世の中では、ネットは、ほぼ「実名しか許さない」世界に収斂していく可能性が高い。


  IPv6アドレス128bitのうち、インターフェースIDと呼ばれる下位64bitは、端末が自分でアドレスを生成するらしい。それがランダムなアドレス生成方式ならばいいのだが、実際には固定アドレスになるようだ。具体的には、MACアドレス(ネットワークカードに割り振られた識別番号)という世界にひとつしかない番号をそのまま流用して、固定アドレスを生成する方式が主流を占めるらしい。

やや古い記事だが、
  IPv6アドレス構造はこの記事参照
  インターフェースID決定方式はこの記事参照  

  これでは、128bit長のIPv6アドレスのうち、MACアドレスを埋め込んだ48bitの部分だけを見れば、残りの80bitがどうであれ、そのネットワークカードつまりパソコンを特定できてしまう。

  ということで、ネット上に、実名空間だけでなく匿名空間も残そうとするならば、IP自体(IP層)ではなく、P2PなどのIPアプリケーション層でなんとかするしかない、ということになりそうだ。
 
 
 
[追記]2004.07.08
  気になったので昼飯がてら本屋でちらと立ち読みしてみた。「IPv6エッセンシャルズ」(O'Reilly)の中に「アドレスのプライバシー保護」という項があり、簡潔にまとまっている。

  それによれば、インターフェースIDにMACアドレスを流用することはプライバシー上問題である点について、技術者の間では既に数年前から議論があり、ランダムに生成する方法も一応選択可能になっているそうだ(RFC3041)。とはいえ、MACアドレスを使うなどの固定アドレス方式が主流になってしまえば、「選択できる」と言っても意味は薄い。コメントでも触れたように、技術者は選択肢を残してくれたのだから、それを有効に使えるかどうかは社会の側の宿題になる。

  具体的には、IPv6対応を謳う製品が、インターフェースIDをどのように生成しているかをチェックすることだ。
  また同時に、プロバイダが利用者へのアドレス割り当てを動的に行いつづけるかどうかも、インターフェースIDと並んで重要なチェックポイントであることは、これまで述べてきたとおりだ。

  2つの重要なチェックポイントがはっきりしたことで、IPv6と匿名性に関する一連の記事は、一応終了として良いかと思う。

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Comments

前の記事にコメントしようと思っていたのですが。

この問題はとても重要に思います。自分のblogでも取り上げたいのですが、IPv6についてそれほどきちんとした知識がないので、hskiさんのエントリを興味深く読んでます。

MACアドレスを使うとなると、完全にIPアドレスには匿名性がなくなるということのようですね。IPv6は完全に仕様が固まってしまっているのでしょうか。僕も、もう少し勉強しなくてはと思います。

Posted by: netwind | 2004.07.07 at 08:42 PM

  私もきちんとした知識はないので、あまり頼りにならないかもしれません。。(汗)
  IPv6アドレス構造についてのくだんの記事を読むと、インターフェースIDの決め方はIPv6ソフトに依存するが、そのIPv6ソフトでは、MACアドレスを流用する方式が多い、となっており、IPv6ソフトと呼ばれるもの(たぶん端末OSに組み込まれる)の作り様によっては、ランダムなアドレス割り当ても可能だからどうするかは市場が決めなさい、と言っているようにも取れます。この辺り、IPv6の仕組みを作る人たちの、匿名性に対する微妙なスタンスと苦労が、そこはかとなく感じられます。

Posted by: hski | 2004.07.07 at 09:57 PM

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