« 絵になりにくいものを絵に | Main | 小沢一郎も年金未納 »

2004.05.16

匿名性の意味

  匿名性のことをつらつら考えていると、無記名投票というものをおもいだす。お互いに名乗りあって正々堂々一対一の勝負を重んじた時代もあったけれど、たくさんの戦いや狡猾なやりとりや、無念やら諦めやらがあった後、結局、大勢でものごとを決めるときは無記名がいいだろうということになったのだと思う。少数精鋭の代表者の集まりで重大なものごとを決めるとき以外は、匿名の方がいいだろうと。
  その一方で、普段の生活は言うまでもなく実名の世界だ。そこでは誰でも、実名に伴う責任やらなにやらを背負っている。それはたぶん、自分の力が多少及ぶ世界だからだ。

  民主主義のもとでは参政権というものが重要だとすれば、自分の力が直接には及ばない世界、うかつに触れれば致命的な反撃を受けかねない世界についても、一定の意見を表明しなければならない。そのための知恵として、匿名というものがあるのだと思う。決して、真実と嘘を使い分けるためでもなく、いいことと悪いことを書き分けるためでもない。自分の信じることを、身近な世界からより広い世界に敷衍していくときの自衛の盾としてこそ、匿名性というものがあるのだ。

|

« 絵になりにくいものを絵に | Main | 小沢一郎も年金未納 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7081/604718

Listed below are links to weblogs that reference 匿名性の意味:

« 絵になりにくいものを絵に | Main | 小沢一郎も年金未納 »