« 「分類」を通したネット検索と実社会の関わり | Main | ある交通事故の記録 »

2004.05.08

greeと楽天

  山岸さんの久しぶりの記事を見ると、greeはいい感じで発展しているようです。

  自分のプロフィールを描きこんでいくことがそのまま他人とのつながりを生むというのは、情報を発信するところに情報は集まる、という原則を体現していて、仕組みが健全な感じがします。
  一方、この仕組みは、影や含みのあるコミュニケーションには向いていないとも思います。昔からの実名/匿名の議論と似てくるのですが、実名での情報発信は抑制が効く(効き過ぎる)のが普通です。私は、実名/匿名両方の選択肢があってほしいし、その方が深みが出てくると思います。もちろん、どちらにも副作用や弊害はありますから、大人の対処が必要なのですが。

  greeがこのまま健全な方向にいくのであれば、それに徹底して、実名コミュニティの選択肢のひとつとしてポジションを確立してほしいと思っています。匿名や商売がらみの話は、また別のツールなり環境なりを使い分けていけばいい。

  ところが、ことはそう直線的にはいかないかもしれません。田中さんの記事を見ると、greeには楽天のコマースの尖兵という位置づけも感じられます。この記事は、楽天もWebサービスをします、というだけの内容ですが、口コミマーケティングという軸で見れば、この延長には当然greeを活用した拡販が視野に入っているはずです。

  ですから、楽天という企業が、greeをどう位置づけるかによって、その将来像は随分違ってくると思います。山岸さんがイメージするような、1万人程度のクラブ的空気の中だけで運営されるのか、それとも楽天広場の利用者を取り込んで、数十万人規模にしようということなのか。

  山岸さんも書いていますが、自分の内面や属性を安心して公開できるのは、それが気心の知れたコミュニティであるという前提があります。もし楽天がgreeを数十万人規模にしようと考えているならば、その気安さは失われるかもしれません。
  気安さと規模を両立させようとすれば、利用者が自分のコミュニケーション相手を限定できる仕組みを導入することになりますが、それではソーシャルネットワークの意味が薄れる感じがします。新しい出会いを狭めることになりますから。もちろん狭める程度をコントロールする機能をいずれ追加する方針かもしれませんが。

  これはあるいは、コミュニティの規模と参加者のプロフィールの公開程度との間に一定の関係がある、という一般論に落とし込めるのかもしれませんが、学のない私の考察はここまでです。個人的なことを言えば、自分の属性や好み経歴までが一覧表として、強弱無くあっけらかんと公開されるような世界は、私にはやや眩しすぎる感じがます。


  こう書いてくると、なんだか昔のBBSを巡る議論と変わりばえしません。違いは何だろう。
  BBSであれば、能動的に好みのBBSに参加する必要がありましたが、ソーシャルネットワークは、自分について書くだけで新しいつながりが受動的に簡単にできる点が違う。それが今の時代に合う、ということかもしれません。

  いずれは、ソーシャルネットワークシステム一式を提供するツールが登場して、コミュニティ主催者はそれを使って思い思いのコミュニティを立ち上げていくようになるのでしょう。ちょうどBBSやグループウエアシステムの場合と同じように。
  greeの場合、コミュニティ形成とツールの進化が同時進行しているので、その切り分けがまだ見えにくいのかも。

|

« 「分類」を通したネット検索と実社会の関わり | Main | ある交通事故の記録 »

ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference greeと楽天:

« 「分類」を通したネット検索と実社会の関わり | Main | ある交通事故の記録 »