生体認証への根本的な疑問
最近よく聞く生体認証について。少し古いが毎日新聞の記事によれば、手の甲の静脈パターンが手軽で正確だそうで、実際にスルガ銀行で利用が始まるそうだ。生体認証は、いろいろな方式が提案されていて、現在のところ、静脈パターンが実用的ということらしい。
問題点もいろいろ上げられていて、個人情報保護(プライバシー)がその筆頭のようだが、テロや詐欺などの犯罪を防ぐための個人認証の重要性と相殺して、生体認証は推進すべきとの声が強いように感じる。
しかし、どうも腑に落ちないことがある。それは、万一偽造されたことがわかった後の復旧方法が、考えられていないことだ。
例えばパスワード認証であれば、破られたときは、パスワードを変更すれば、正当な利用者が利用を続けることができる。ところが生体情報は、偽造されたことがわかった後、正当な利用者が利用を続けられるようにする方法が、まだ提案されていないような気がするのだ。
この疑問は私のオリジナルではなくて、誰かが指摘していたはずだが、故意に無視されているのかどうか、あまり取り上げられていない。しかしこれは、生体認証の実用性を左右する根本的な問題であって、認証技術だけをむやみに深堀りする前に、解決の目処をたてておかなければいけないように、私には思えるのだ。
どなたか、この問題の解決方法をご存知でしたら、情報へのポインタなりと教えてほしい。はてなで質問するのがいいのかな?
質問:
「生体情報が漏洩・偽造された場合、その後も正規の利用者が生体認証の利用を続けることはできるのでしょうか」
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Comments
生体情報が漏洩・偽造された場合、その後も正規の利用者が生体認証の利用を続けることはできないと思います。生体の特徴を認証に使う事がおかしいと思います。バイオメトリックス技術は有用な技術です。しかし客体としての人間の肉体を計測・識別の対象とするバイオメトリクス技術を、主体としての人間の意思行為である本人認証にそのままで応用できると考えるのは間違いです。客体の計測・識別と主体の認証は異なる概念であり異なる技術分野だからです。識別目的のバイオメトリックスは有用で是、認証目的のバイオメトリックスは誤用で非です
Posted by: SKR | 2004.12.29 10:31 AM
なるほど。識別は可、認証は非、という点は、確かにおっしゃるとおりかもしれませんね。勉強になりました。ありがとうございます。
Posted by: hski | 2004.12.30 06:28 PM
静脈認証で危惧している疑問点は、身体から切り離された手の静脈は認識可能なのかという恐ろしい心配である。
もし可能なら、静脈認証を拒否する。
Posted by: オオクサ | 2005.02.01 05:30 PM
ううう。切り離された手。私も拒否します。
ロケットパンチじゃありませんよ。
Posted by: hski | 2005.02.02 11:57 PM