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2004.03.28

技術に「遊び」が無かった六本木ヒルズ大型回転扉

  毎日新聞の記事「回転ドア事故:六本木ヒルズの事故32件 対策が不十分か
  この回転扉には、3つの問題点があったと思います。ひとつは、利用者に恐怖心を与える点、もうひとつは利用者の心理に逆らっている点、最後のひとつは技術に「遊び」がなかった点です。

  実は私も、六本木ヒルズの事故があったあの回転扉で、怖さを感じたことがあります。大型でがっしりした扉は、万一挟まれたとき人の力では押し返せない印象を受けました。また、区画を仕切る壁が中心から放射状になっている小型のものと違い、入るときのタイミングをとりづらいのも怖さを感じた理由です。

  さらに、くだんの大型回転扉には、通常の小型のものと違って、利用者の心理に逆らう問題点もあると思います。事故が起きたタイプでは、2つの大区画の間の小区画は人が入れないように壁で閉じられています。そのため、最初の大区画に入りそこなったときに、見送って次の小区画に入ろうとして入ることができないのに気付き、焦る気持ちが無理を引き起こすのです。実際に自分が挟まれそうになった体験から、そう思います。

  何と言っても一番の問題点は、センサー技術に頼りすぎたことでしょう。NHKの報道によれば、森ビル側は、赤外線センサーに死角があったのはわかっていたにもかかわらず、それを解消しようとすると通常の使用にも過敏に反応してしまうので、抜本対策を怠ってきたとのことです。しかしこれは、対策不足のいいわけにはなりません。光学式センサーが不十分であれば、メカニカルセンサーを追加するなど、取れる方法は他にもあったはずですが、センサーは光学式だけで、綺麗に格好よくしたかったのでしょうか。


  この事故はまたしても、「遊び」のない技術の怖さを示しています。「SoftEtherの提起する問題」や「生体認証2」と共通する問題意識なのですが、安全確保や秘密保持について、特定の技術に100%依存するのは危険なのです。常に、その技術が働かなかったときのことを考えて、冗長に対策を用意しておかなければいけません。

  この機会に、回転扉の技術が抜本的に見直されることを期待します。

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