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2004.03.23

安心社会と信頼社会

  日経本紙の特集「経済教室」で、注目すべきことが載っていたのでメモ。筆者は北海道大学教授の山岸敏男先生。ソーシャルネットワークへの関心が高まっているいま、タイムリーなコラムだ。

  稿の前半では、取引が安全に行えるようにする工夫として、閉じた仲間内での信頼関係にもとづく「安心社会」と、開いた参加者の間で、リスクの存在を認め、問題解決のルールを整備する「信頼社会」とを比較している。著者は11世紀における地中海貿易を例にとり、前者を採用したマグリブ商人(ユダヤ商人)と、後者採用のジェノバ商人の競争が、ジェノバ商人の勝利に終わったことを示している。その原因として、開放的な仕組みを採用したジェノバ商人と取引をしたがる集団外部のプレーヤーが増えたため、としている。
  稿の後半では、ネット上で展開される匿名の取引で、他者の評判を使った参加者の評価方法が働く仕組みについて述べられている。ヤフオクなどで見られる方式では、評価にはプラスとマイナスがあり、匿名取引の場においてはマイナス評価は価値を失い、プラス評価の価値が増すことを示している。

  ヤフオクのような匿名取引の場では、マイナス評価をつけられた参加者は、別の名前で再登録すれば、評価をリセットできる。これ対して、プラス評価がつけば、それを壊さないように努力するインセンティブが生まれる。それが、プラス評価への関心を高め、マイナス評価の意味を薄くする理由だという。

なるほど、いわれてみれば至極もっともです。

ソーシャルネットワークを使った取引は、原則として「安心社会」型だけれど、結局は外に開いた「信頼社会」型に移行することになるのかもしれませんね。

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