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2004.02.22

書籍・雑誌の貸与権

  少し前の話題になるのだけれど、blogを整理していたら出てきたので、メモ。

  「貸与権は報酬請求権ではない」「貸本・レンタルコミックだけなのか」などによれば、文化庁が行なおうとしている著作権法改正の中で、これまで認めてこなかった書籍・雑誌に対する貸与権の影響はかなり大きくなるようだ。
  この法案改正が通ると、まんが喫茶をはじめとする本のレンタルは、著作者の同意なしにはできなくなるらしい。「有料・営利」の場合はまあ、それを規制するのが法律の趣旨だろうから置くとして、例えば、喫茶店に置いてある週刊誌はどうなるのだろう。飲食店の有線放送は著作権料を支払っているが、それとの比較で考えれば、雑誌でも著作者の同意が必要になるのだろうか。程度問題だとすると、どの程度まで、同意なしでも許されるのだろうか。

  この件だけでなく思うのだが、法律をつくる側はできる限り厳しい解釈も可能なような法律を作っておき、零細な案件については黙認しよう、という基本姿勢が、最近の著作権にまつわる議論全般で感じられる。これは、事前調整から事後救済による社会への転換の一環だと思いたいが、それであれば、貸与権ではなく、請求権のかたちにするべきだろう。貸与権では強力すぎて、例えば思想信条を理由にして貸与に同意しないといった副作用も起きるのではないか。そこまでいかなくとも、いまだ権威主義が根強い社会の中では、名前の通った団体による貸与には同意するが、零細で無名の団体には(なんとなく)認めないといったことも起きるかもしれない。貸与権の濫用ということで争えばいいのだろうが、零細無名の団体にはそんな経済力はないのが普通だろう。
  書籍や雑誌に貸与権まで認めることは、バランスを欠いているようにも思える。

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