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2004.01.12

過去のコンテンツ利用

  C-NETの森さんのコラム「著作権の抜本改革よりも事業モデルの多様化を」は、前向きな洞察を示してくれている。それに便乗して、過去のコンテンツ活用についてのアイデアをメモ。

  森さんは、過去のコンテンツを活用する際の問題として、権利者が分散していて調整が難しいことをあげ、過去のコンテンツよりこれから作るコンテンツに目を向けるべきだと主張する。
  ここで、問題をもう少し正確に言うと、過去のコンテンツの再利用の際に調整が難しい理由は、権利者が分散していることではなく、契約内容が厳密に定義されていないことなのではないか。具体的には、コンテンツを流す媒体の定義、権利者の一覧とその役割分担・権利割合、が明示されていないことが問題だと考える。

  森さんの言うように、未来のコンテンツに着目することには賛成だ。ただし、このコラムが新しい作品の制作に重点を移すべきとする点を主題にしているのに対して、ここでは、新しい作品を作る過程で合意が進むであろう契約内容の一般化を、過去の作品利用に援用できないか、というイメージを主に考えたい。

  新しい作品の製作における契約は、上記の2つの問題点、予期せぬ新媒体への対応と、権利者・役割・権利割合の一覧、の2点を解決したものになると考えるのが妥当だと思う。なぜなら、関係者はこの問題の困難を既に十分経験しており、同じ過ちを繰り返すとは思えないからだ。そう考えると、今後、新しいコンテンツ制作契約を積み重ねていけば、両問題に対応可能な一般的なルールが醸成されていくことが期待できるのではないか。

  そうであれば、その一般的なルールがある程度定まってきた段階で、過去のコンテンツについてもそのルールを適用することで、スムーズな再利用ができるようになるのではないか。例えば、過去のコンテンツ利用にあたっては、主だった権利者で短期間に調整後まず再利用を開始し、その後もし他にも権利を主張する申し出があれば、一般的なルールに則って誠実に対応する。協議は、新設予定の知財高裁で迅速に行う、という考えが成立しないだろうか。

  事前調整型から事後救済型に、社会が舵を切りつつあるなかで、著作権についても、迅速な事後対応による処理が一般的に行われるようになると期待したい。

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Tracked on 2004.01.12 at 12:11 PM

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