2018.07.13

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

やっぱり恐竜映画の醍醐味は恐怖だよね。

一作目では、ベールに包まれた彼らの影と、それが露わになった時の絶対の恐怖が最高によかった。

その後、人間は学習して、恐竜の恐怖はだいぶ薄まってしまったのが、シリーズがつまらなくなった理由だと思う。理解できない恐怖、理不尽に食われる恐怖は後退して、下手な人間ドラマが前に出てきてしまった。

けれども本作では、その恐怖が多少復活した。

ステレオタイプの傭兵の老人が出てくるのだが、彼が傲慢の報いとして食われる直前に見せる表情は、結構いい。この瞬間の演技が、どいつもこいつも物足りないのがシリーズ続編群の難点だったけど、この老兵はそこをちゃんと見せてくれた。

全体のバランスもそこそこいい。まあまあの仕上がりでした。

でもこの終わり方は・・・猿の惑星にでもするつもりなんですかねw

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2018.07.01

「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」

このハウス、実在してるというから驚き。
実際に、38年間立て続けたらしい。そして今も立っている。
まあ、金がありあまると、人間いろんなことを考え出すものなんだな。

映画の方は、実話を元にしながらも、怖くて哀しい、いいお話になっている。単に怖がらせるだけのホラー映画とは一線を画している良作。

建設工事の長さでは、横浜駅もそのうちこれを超えると思うけど、あれは一体何を鎮めるためなんだろw

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「女と男の観覧車」

こういうのを老成っていうのでしょうかね。
ウッディ・アレン見事ですわ。
何も足すものがない。何も引くものがない。

今年はここまで、「スリービルボード」と「万引き家族」あたりがベスト5入りだったけど、本作も間違いなく入ります。

甘くもなく辛辣でもなく、真実をぴったり捉えていて。

いいよなあこういう映画。

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「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」

これが米国であまり受けなかった理由はよくわかる。神話ではないからだ。

「スター・ウォーズ」は製作者も言うように、空想異世界の神話を目指していて、その点で成功している。本作には、その空気はほとんどない。だから、このシリーズは神話でなければならないと刷り込まれているスターウォーズ愛に溢れたファン層には、これは違うと受け止められても仕方がない。

しかし一方で、「スター・ウォーズ」には、SciFi冒険活劇というもうひとつの柱がある。神話的空気だけだったらこれほど世界中で受け入れられることはなかっただろう。本作は、そこを正しく受け継いで、はるかに超えている。単にCG映像技術だけでなく、俳優の動きや演出の点でも一級だろう。まあヒーロー効果の嘘臭さだけは、お約束だから仕方がない(笑)。

そしてハン・ソロというキャラクタ。少年の純情と大人の狡猾がないまぜになった魅力的なキャラクタが、本作では生き生きと描かれている。彼の欠点である戦略の欠如と一緒に。

そう、戦略の欠如こそが実は、本作、あるいは類似の数多の作品の最大の魅力なのかもしれない。行き当たりばったり出たとこ勝負の愉快痛快な生き様。それが破天荒な展開の末にう・ま・く・い・っ・て・し・ま・う。本作は、現実にはあり得ないストーリーを描くという、娯楽作品の基本を忠実に踏んでいるのだ。素晴らしい。

ハン・ソロの数々の欠点を補う相棒役もぴったりはまっている。チューバッカはもちろんだが、ベケットとキーラもいい味。ベケットの方は、若いソロの未来の姿のひとつを示しているし、キーラの方は、ソロに足りない大人の部分を表している。

彼女から見れば、ソロは、世の現実も生き延びる戦略も知らないガキだ。男の援けなど必要とせず自力で自分の地位を築いてきた。にも拘わらずソロの奔放に惹かれている。そこに生まれる葛藤と悲哀こそが、本作の真髄と言っていいでしょう。
女って大人だなあ。


スターウォーズという枠に拘らず、素直に楽しめる一級品でした。

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2018.06.23

「ニンジャバットマン」

「最高だぜ! やっぱりお前は最高だぜバットマン! ヒャーッハッハッハ」というジョーカーの台詞そのままの力作。85分という短い上映時間の中に起伏を山盛りにした上にバットマンとジョーカー二人の心情の変化まで見せている。途中少し定型すぎるところやロボットアニメすぎるところはあるが、クライマックスシーンで白けさせないだけの積み重ねが効いている。

それにしてもジョーカー。こんなによく描けたジョーカーはバットマンの歴史の中でもそうはないのではないか。よくは知らないが。

アニメという形式は誇張が得意だから、ジョーカーのようなエキセントリックなキャラクタの描写にはうってつけだ。実写の俳優ではとうてい真似できない。

最高だぜ! やっぱりお前は最高だぜジョーカー!

ヴィランの中でも格の違いを見せつけながら、ちっとも偉ぶらず自分というものを自在に出してくる彼に、最高の賛辞を贈りたいと思います。

もちろん、それと拮抗するバットマンの存在感も最高!

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2018.06.09

「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」

たしか、「十二人の怒れる男」という映画があった。ひとつの部屋に十二人の陪審員が集まって、被告が有罪か無罪かを吟味するという映画で、言葉のやり取りの緊張感といい、議論の行方の見通せなさといい、観客を釘付けにする傑作だった。

本作はタイトルはそれを真似ているようだけれど、内容的には及ばない。つまらなくなはいのだけれど、まあ普通の映画。

前半はともかく言葉が過剰。教授たちが専門分野については半日や一日はしゃべり続けられる知識と情熱があることはわかるのだが、見ているほうはオタクに付き合っている感じがあって少し退屈だ。

中盤は、作戦が順調な中で、ところどころ笑える部分を楽しめばいい。

終盤、列車と並走するところは、アクション映画の借り物だが、まあまあよくできている。

結局、彼らがあの後どうなったのか、断片的な映像がスタッフロールの合間に流れるのだが、ちょっとフラストレーション解消には弱い。

といった具合で、見ても見なくてもというくらいでした。

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2018.06.08

「ゲティ家の身代金」

クリストファー・ブラマーさん、なかなかよかった。作り手はよく短期間でリカバーしました。

でもポリコレは置いといて正直なことを言うと、ケビン・スペイシーで見てみたかった。彼はこういう役にうってつけだと思うんだけど・・残念です。

映画の方は、まあ普通ですかね。
この金持ち老人が、孫を連れて古代ローマの遺跡を歩きながら、自分はローマ皇帝の生まれ変わりだ、などと言い出したときは、稀代の吝嗇家のどんな哲学を描き出してくれるのかと、少し期待していたのだけれど、結局、皇帝とは似ても似つかない、ただのけちんぼ、金の亡者だっただけでした。

いや、金の亡者というのは正確ではないか。むしろ、数字を増やすゲームに飲み込まれてしまった人、という印象だった。ポケモンGOでAP増やすのに熱中するワタクシと同じですね(笑)。

それから、イタリアのマフィアって怖いんだな、というのも印象に残りました。
実話にインスパイアされているけど脚色ありますという断り書きからすると、人質の耳を切り落とすとかは脚色かと思ったら、後で調べると実話なのね。

おっかなー。
今でも南の方はそうなんだろうか。

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2018.06.03

「レディ・バード」

ここしばらく私的いち押し女優のシアーシャ・ローナン。健康で芯が強くて素直な感じがとてもよいです。

その彼女が本作ではDQNのJKですよ!
なんですかこの取り合わせは。すんごくよく似合ってます。

まあ、DQNというのは言い過ぎで、いつも居場所を探して活動的な、よくある若者像なんですけどね。見てみるとよいのですよこれが。

有名な若手女優さん主演のこの種の青春映画は、それぞれの個性を引き立たせる物語が用意されていてうれしいです。

本作で、最後に彼女は、自分で考案した「レディ・バード」を名乗るのをやめ、ごく自然に等身大の一人の若者として、親が大切に付けてくれた名前を名乗って一歩を踏み出すのですが、それがとても似合っていてよいです。有名人にありがちな病的なイメージが全くない。

そこがたぶん彼女の最大の長所で、大女優とか言うありきたりな評価を弾き返すような健全さがあります。日本の女優さんでいうと麻生久美子みたいな、親しみやすくて普通に見えるのに、実力は凄いっていう。

彼女の役柄の周囲の人々も普通に陰影があってよいです。
たいへん満足いたしました。


でもアカデミー賞的な作品かといわれると、ちょっと違うかなとも思いますが。

シアーシャ・ローナンに賞を取らせるため、というなら納得でございます。

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2018.06.02

「万引き家族」

毎度ながら、いい映画は感想を書くのが難しい。

本作には、2つの要諦があると思う。ひとつは家族というものは何かという問いかけであり、もうひとつは、開かれているはずの社会の中で、自分たちの小宇宙に閉じて一緒に生きることの是非、といったところか。

同じ監督の「だれも知らない」は子供だけの閉じた世界を描いていた。その小さな世界の幸福感、綻び、破綻を、小さなエピソードを丹念に積み重ねることで見せていた。

本作はそれと地続きのような印象がある。子供だけでなく、今度は大人も交えた閉じた小宇宙。より大きな社会の余剰をもらい受けることで生活を成り立たせて、同じような幸福と綻びの予感と、そして破綻とを。
一貫して描かれているのは、一緒に生きていく者達の繋がりだ。本作では特に、子供だけの世界では描けなかった、より長く生きてきた者達との絆が多く挿入されている。生きるための知識の伝承、社会のルールと対処の仕方、価値観や世界観の伝達。あるいは拒絶。一方的なものではなく相互的な存在価値。

この監督はそういうものを描くのが本当にうまい。
「そして父になる」は残念ながら見逃したが、たぶん同じ文脈にあるのだろう。そういえば「海街diary」も、腹違いの末の妹を包み込んで生きる4姉妹の物語だった。

本作では、破綻の後を、単なる後日譚ではなく、本筋をまとめる締めくくりとしてじっくり描いている。共生する小さな集団が、より大きな社会のルールに包摂される様子があって、共に生きることと家族という言葉の本質と相違が浮き彫りにされる。

社会というものは、家族という概念と形式が共有されやすいためか、すべてをその枠にはめようとする。

破綻の後、施設で暮らすことになった男の子は、年長の男が自分を置いて逃げようとしたのかどうか静かに問う。男は、そうだと答える。家族であるために欠かせないものが欠けていたと、男は悟ったように見える。
男と一蓮托生で生きてきた女は、刑務所の面会室で、私たちではだめなのだ、親の代わりはできないのだ、と吹っ切れたように清々しく言う。

一旦は、家族という形式の前に、この小集団は解体され吸収されたのかと思わせる。

しかしその後、作り手はさらに続ける。
女の子は、生みの親の元へ戻ってどうだったのか。家の中でも化粧という仮面を脱がない女親、新しい服でも買ってやれば子供の歓心など簡単に買えると思っている程度の女を見ていると、生みの親こそ本当の家族という安易な考え、社会の規範に、再び疑問を抱かざるを得ない。

まだ感情をうまく言葉にすることができないほど小さなこの女の子は、それゆえに強い説得力を持って問いかけてくる。

人に欠かすことができない共生というものを体験した女の子は、家族であるはずの生みの親の元で、それを再現することは難しいと感じている。それでは家族というものは一体何だろうか。

作り手は、ものごとの両面を描いていて、それも杓子定規な手法ではなくリアリティをもって描いて、言葉にすることを拒んでいる。丸ごと呑み込んで糧にしろと言っているかのようだ。

こうした作品が、文化の地位が高い国で最高の評価を受けたということに、感慨を覚える。遠い国の人たちも、生活様式の違いを超えて、同じような感性を持っているということに、安堵と感謝を。

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2018.06.01

「デッドプール2」

はちゃめちゃ感は1に比べて少し減った感じ。1は大詰めに近づく従って話が大味になっていくのが難だったけど、本作はちゃんとクライマックスというものを設定していて、その意味では普通の映画。

デップーのシリーズが普通でいいのかとは思うけど。
といっても、関連が薄そうな要素をどうにかまとめ上げて空中分解せずにいるのは、すごい力技。作り手には努力賞をあげたい。

ひとつ大きな不満を言うと、予告編ですごく笑えたあのシーンが、なんだかつまらない編集になっていてがっかりだった。

それから、たくさんちりばめられている映画ネタは、少しあざとい。笑いを取りにいく意図が見え見え。

そんなとこですかねー。
次があっても見るかどうかは微妙かな。。競合も多いし。

あーでもドミノっていうキャラクタは面白いんだなこれが。デップーの軽いノリに合ってる。「ユアデスティニイィィィ」とかいう感じの根暗な作品群を今後も虚仮にし続けてほしいですはい。

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