2016.12.10

「ブルゴーニュで会いましょう」

どうしてこういうくだらない邦題になってしまうのか。
いい映画なのに。

それはさておき、こういう作品を、柄にもなくいいなあと思うのは、一種の憧れなんだろうなと思う。

田舎の暮らしには隠れた苦労や嫌なことがたくさん、とかいう批判はなし。そんなものは都会にもたくさんある。

人口密度が高い日本では、広い土地で比較的少数の人を養えばいいというわけにはいかない。
だから、いいなあと思いつつ憧れにとどまっていた。

でもひょっとして・・人口が急速に減るそうだから、ちゃんと備えれば、こういう生活ができるようになるかもね。

ほんとかな。ほんとだといいな。

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2016.11.27

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

ハリーポッターが、どちらかというと魔法はかなり抑え目で、むしろ少年少女の成長物語だったのに対して、こちらファンタスティックビーストは、魔法がガンガン使われる。まあSF映画になりましたねと。かつ、ドラマとしてはボーイミーツガール。加えて魔法動物というガジェットがあって、ロストワールドが街に出現みたいな趣もあって。

わりとよいエンタメ映画のシリーズになるんではないでしょうか。

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2016.11.26

「シークレット・オブ・モンスター」

ある子供の幼年期に、親や周囲の大人たちからどのような接し方をされたか。それだけを、執拗に描いている。

この子がその後、独裁者になるという設定は、少々飛躍しすぎている。むしろ、サイコキラーになったり、単なる異常者になったりする、としても違和感はない。
あるいはひょっとして、反エスタブリッシュメントの英雄になったとしても。

独裁者、という宣伝につられて観に行った者としては、その点で少し釈然としない。作品の流れもゆっくりで、飽きるかどうかぎりぎりの線だ。

そのゆっくりさが、ふとした拍子に、じっくりに変われば、まあ見られないこともない。波長が合わなかったのが、我慢して見ているうちに、どうにか波長が合ってくる。

そうして、この作品の描こうとしていることが見えてくる。

優越的な地位にある大人の無責任さ。
立場の弱い者に対する冷酷さ、傲慢。
それらの発露である「癇癪」

モンスターは、そういうものを見て、真似て、育つ。もちろん、外部の環境だけでなく、子供自身の中にも種はあるのだろうけれど。

そんなもろものが見えてきたと思ったとたんに、場面はかなり唐突に、群衆の喝采を浴びる架空の独裁者に切り替わって、そこで作品は終わる。

印象を強めるには、うまい手法かもしれない。
なんじゃこれはと思う観客がいても不思議はない。

まあ、そんな風な作品。


[追記]

いや、少し時間がたって、ちょっと違う見方をするようになったので・・

この映画のポイントは、家政婦が口にした恨みだ。
それこそが重要だ。

その恨みが、ポピュリズムの形をとって、既存のエスタブリッシュメントに復讐する。
そういうお話のように思えてきた。

そうすると、なんともタイムリーな作品ということになる。
しかもこれは、一時の流行ではない。
ひょっとすると時代の転換点なのかもしれない。

まあ、そんな風な作品でもある。

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2016.11.20

「ミュージアム」

全体にグロい。映像はもちろんだが、それ以上に、犯人の精神がグロい。

まあ、そうはいっても、主人公家族以外の犠牲者が次々屠られていく手の込んだ手法とスピードは、少し無理がある。単独犯ではどうにも無理、というところで、ちょっと醒める感じはある。だが、それは本筋の前の娯楽に過ぎないことが、すぐにわかる。

最後に残った標的である主人公一家が、犯人のグロさに巻き込まれていく。。かに見せて、実は本当にグロいのは誰だ、という話にもっていく。見ていて結構脂汗がでる。気分のいいものではない。

結局、犯人は裁きを受けて、一見落着はするのだが、エピローグがまた・・
救いようのない悪の再生産を見せられる。善と同様に、悪もまたしぶといのだ。

うへぇ。

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2016.11.19

「ガール・オン・ザ・トレイン」

はじめは、サイコスリラーのように見える。主人公が実に嫌な感じのアル中なのだ。今週のチョイスをちょっと後悔する。

でもエミリー・ブラントが、その嫌な感じをすごくうまく醸し出してる。それに引きずられて、こいつダメ女やなーうっわーとか言ってるうちに、なぜだかわからんけどだんだん引き込まれて。

何するかわからんアブナイ女だから、展開も何が起こるかわからん緊張があって。

時折差し込まれる過去のエピソードには、哀しいものもあったりして。

そうしてお話に引きずり回されていくうちに、もう目が離せなくなる。こういう感覚は久しぶり。

そして、最後。

すべてひっくり返って、なるほどな結末。哀しいね。でもよかったね。

男が女を抑圧する。
女はそれぞれ違った方法でそれに対処する。

そういうことをくっきりと浮かび上がらせた逸品でした。

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2016.11.12

「ジャック・リーチャー」

トム・クルーズは、質の悪い映画には出演しない、みたいな思い込みが自分の中にあって、これはその思い込みを補強してくれる。

なにより、ドラマとアクションのバランスが好み。

アクション主体の作品は、たいてい途中で飽きるのだけれど、本作は、要所で軍隊の火力を投入するほかは抑え目でよい。

そしてドラマは、それぞれの立場の願望がほどよく含まれたりしていて、マーケティング出来過ぎなんだけど、そう感じさせない熟練があってよい。

一匹狼を描く作品は、ジェイソン・ボーン、ジョン・ウィックなどあるけれど、どれかひとつ選ぶとしたら、ジャック・リーチャー一押し。

そんなことを感じるワタクシは、やっぱり年寄りになったということなのかなあ(笑)

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2016.10.30

「デスノート Light up the NEW world」

3/4くらいまでは、クサい芝居とダサいシナリオにひたすら耐える。
耐えているうちにクライマックスいなだれ込んで、

まさかこのまま終わるのかやめてくれと思っていると、
ちゃんとサプライズの連発がある。

Death note というギミックをまたしても存分に活用していて、
その点で、元はとれた感じになる。

いろいろ伏線も上手に回収して、いい具合に湿っぽいオチがある。
いいんじゃない。この映画。

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2016.10.23

「ベストセラー」

観客動員は地味だが、いい映画。

コリン・ファース演じる編集者が、語り部について語る詩的な台詞にぐっとくる。それを、もう一度最後にもってきて、上手い。


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2016.10.22

「スター・トレック BEYOND」

スタートレックの価値観・世界観というのは、今より少し前の、理想主義的な色合いが濃い。
本作でもその点はしっかり反映・・というかそれがテーマになっている。

今の時代に見ると、こそばゆいほどの理想主義だが、まあそういうものがあってもいい。

敵役の男が、自分は闘いの中で育った、とか、人は闘いによって強くなるとか、自分は軍人だ、とか主張するのだが、それに対する若いカーク船長の答えは、「そのあなた方がつくった平和を、譲り受けたのが我々」というものだ。

なかなかうまい折り合いのつけ方だ。
この方向でこれからもいってほしい。

それにしても、クライマックスが男の殴り合いになってしまうのは、前作もそうだったけど、どうにかならないのかな。


そうそう、オープニングで、アリババの名前があったけど、中国人が目立って活躍ということはなかった。

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2016.10.09

「エル・クラン」

誘拐を影の職業とする一家のお話。アルゼンチンの実話だそう。
法治や福祉がそれなりに機能している社会で生きていると、とても信じがたいようなお話。軍政というものの名残なのかもしれないが。

クランというのは部族とか一族のような意味だそうだ。映画の中では、”有力者”という言葉が何度も出てくるが、世の中の仕組みが、有力者の庇護とそれへの貢献ということを基礎に組み立てられているのだろう。

自分が庇護を受ける有力者が文字通り有力であるうちは、身代金誘拐殺人のような非倫理的な生業もそれなりに順調で、光と影はあるものの、楽しい人生を送っている。

だが、有力者の影響力が衰えれば、たちまち別の有力者の意向の下で、存在の危機がやってくる。有力者の下にいた地頭のような人間(この作品では「大佐」)は、さっさと仕える相手を鞍替えするが、クランの末端はそういう芸当もできず、破滅へ向かっていく。

とはいえ、この一家の主人は相当タフな人間のようで、後日談によれば、獄中で法律家の資格を取り、職業替えに成功したそうだ。

そう聞くと、誘拐という犯罪も、アルゼンチンの一時期においては、それほど珍しくもない、普通のことだったのかもしれない。

コロンビアといい、南米ってそういうところなんだろうか。


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