2017.03.11

「王様のためのホログラム」

これは一体どういえばいいんだろ。
・イスラム世界だって西洋世界と大差ないと言いたい。
・といっても前近代的な色もずいぶん残っている。特にサウジアラビアは。
・ここでも中国の進出著しくて仕事を奪われる。
聞きかじりでしかないんだけど、だいたいそういうことは普通に新聞読んでいればわかる。

んで、まあでもなんとかなるわね、といわんばかりのお気楽な展開。

んー。なんでしょうかこの座り心地の悪さ。
西洋社会が世界のその他を見るときの優越感みたいな?
それがほころび始めている不安?
不安を鎮めるご都合主義?

最近の映画は、もう作品の組み立て自体の質は上がっているから、見るに堪えない出来の悪さというのはないのだけど、でもこれを見て何を想えというのか、というむなしい感じが残ってしまいました。

|

2017.03.04

「ナイスガイズ!」

ずっこけ探偵コンビにおませで賢い女の子の組み合わせ。よくありそうな定型。お笑いエンタメ系探偵ものは邦画も洋画と互角の作品を結構出していて、割と好きなジャンル。「探偵はバーにいる」「まほろ駅前多田便利軒」とか。どっちも松田龍平だw。単発だったけど「カラスの親指」はよかったなあ。

探偵なんていうものが主役になると、それはもう世間の暗い汚い怖いところがお話の中心にくるわけだけど、そういう舞台設定だからこそ、汚れ仕事にどっぷりつかっている彼らが根は善人である点が光るわけだ。だから、「ナイスガイス!」というタイトルはとてもぴったりくる。

そういうわけで、本作が特に抜きんでてよいとはいわないけれど、楽しめました。ライアン・ゴズリング、だんだん役のイメージを広げている感じ。

|

2017.03.03

「アサシン クリード」

いわゆるひとつの「パルクール」っていうやつ?
忍者の体捌き。
その点ではなかなかよい映像が見られます。
こちらは、映画でスタントを務めた方の、朝の出勤風景wだそうです。すげー。
https://www.youtube.com/watch?v=-SY0EhJcciw

テンプル騎士団とイスラム世界の闘いという点では、あまり見るところはなかった。もっといろいろ面白い駆け引きがありそうな気がするけど、まあ元がゲームだし、アクション映画だし、それは言っても仕方がない。

レコンキスタの頃のイベリア半島の、都市の風景は・・どうなんだろう。いまでも残っている古い町並みそのままと思っておいていいんだろか。

現代西洋文化の主流から見た、スペイン語圏のエスニックな感じを、主流のフィルターを通して東洋の我々が見る、というところにちょっとぞくぞくする。設定の勝利なんだろう。

あと、エンドクレジットが超々々々長い。これで勝負するつもりなんだろかと思うくらいw

|

2017.02.25

「ラ・ラ・ランド」

http://gaga.ne.jp/lalaland/sp.html

よくある、ハリウッド万歳的な作品。そういうのに、映画業界はかなり甘い。アカデミー賞6部門受賞というけど、ちょっとゲタを履かせ過ぎ。

もっとも、ハリウッドを描いた作品の中では、結構真面目な方。普通の人が銀幕の有名人になるまでに、どんな痛みを潜り抜けてくるか、また抱え続けているか、といったようなことを、正面から描いている。そこへ辿りつくまでが長くて、我慢を強いられるけど。
「マルホランドドライブ」のようなドロドロはなく、爽やか。「ヘイル、シーザー!」のようなコメディで包むことなく、少しブルー。

その本来痛くて苦い部分と、表向きのハリウッドの陽気で華やか能天気な部分とを、映像の質感で上手に区別して見せているのは、上手いといえなくもない。

悪くはないけれど、まあ、普通かなという感じの作品でした。

|

2017.02.24

「トリプルX 再起動」

ドニー・イェンがなかなかいい役で出ている。
ヴィン・ディーゼルは線が太すぎてエクストリームスポーツの躍動感とそぐわない感じ。
ディーピカー・パードゥコーンさん・・読みづらいです。
あれは・・ネイマール?・・本物だあw

という具合に、役者の面白さで売り出そうとしているかのような映画。ストーリーとかもう忘れましたし。

そんな俳優の良さを最大限露出するポリシーのもとで、極め付けなのがこの人!
ハーミオーネ・コーフィールドさん!
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11163557316

ツボです!もろにツボ! かわいい顔して凄腕ハッカー!
もう映画とかどうでもいい。もっと彼女を長く見せてください。
素顔は案外となりのお姉さん風なんだけど、メイクを決めてくるとすごい。

そういうことでよろしく(何)

|

2017.02.04

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

ティム・バートンと言うだけで見に行くワタクシです。
この人のは、はずしたかな?と思う作品も少なくないのですが、うまくいったときの奇妙さ加減が好きで。本作は、割とうまくいったと思います。

邦題はペレグリンさんと子供たちの2本柱ですが、スポットライトがあたるのは子供たちの方。ミス・ペレグリンの方は、子供たちの生活環境を護るいわばインフラです。

そのインフラが囚われ、機能しなくなり、援けを得られなくなった子供たちが、状況にどう立ち向かっていくかというあらすじです。

子供たちにはそれぞれ、普通の人間にはない特異な能力があるのですが、それを生かすために必要なのものは何か、ということを、主人公の少年を通して描いています。結構いいです。
薬味に使っているボーイミーツガールやタイムスリップや成長物語やらの加減も良くて。

お話もなかなかですが、それにも増してこの作品のいいところは、映像の不思議な色合いでしょうか。現実世界の鈍く沈んだ色と、ミス・ペレグリンが作り出している閉じた楽園の明るく鮮やかな色との対比。

そしてキャスト。お話のうえでは一歩下がった位置にあるミス・ペレグリンですが、女優の強烈な存在感が、このキャラクタの魅力を放射しています。ちょっとした演技のあれこれが、いいなあエヴァ・グリーン。思わせぶりをわざとやって、ちゃんと狙った効果を嫌味なく出している。

はじめは、主人公の少年を含め、子供たち全員を上から目線で見ていた嫌な女性だったのが、お話の終わりに、子供たちの成長を、ちょっと見直したような表情を見せるのですが、それをほんの短いカットだけで演っている。
いいなあ、映画を見ていていいなあと思うのは、こういうときです。

ちょっと贔屓目かもしれませんが。


「キングダム・オブ・ヘブン」と「300 帝国の逆襲」では堂々の主役級でしたが、ここでは、脇役でありながら、要所で作品を引き締めている。そんな風です。

ファンタジーが好きなら、見て損はなさそうです。

|

2017.01.29

「沈黙」

原作は昔読んだ気もするけどよく覚えていない。本作は理解しやすいし、キリスト教の信仰についての考え方も納得できる。そして、映画作品としてもよくできている。

カソリックが世俗宗教で、西洋が世界を侵略する際の情報機関の役も結果的に果たしたことについては、特に異論はないだろう。この物語に登場する若い司祭は、まさにその先兵の一人だ。

子どもの頃からカソリックの世界・体系の中にどっぷり浸かって成長したから、世の中にはいろいろな考え方があることが、当初は理解できない。また、キリスト教世界の秩序を重んじ広めることを信仰だと勘違いして、頑なに思い込んでいる。

それが、遠く東の果ての国、キリストの威光など通じない世界にやってきて、信仰とは実は自己の内面のことであって、言葉や儀式ではなく、日常の行いの中にあることがわかってくる。いわば、本物の信仰に目覚めるわけだ。

日本の為政者から見れば、当初の司祭の態度は、西洋世界の秩序を日本に持ち込み、日本の現時点の秩序である幕藩体制に公然と異を唱えかねない危険な存在と映る。普段は温和なイノウエサマが、「クリスチャニティを理解していない」という司祭の反論を聞いて激怒したのは、そこに権力にたてつく気概と、拠り所としてのキリスト教を感じ取ったからだろう。それこそが、幕府が根絶やしにしようとしたものなのだから。

司祭が、表向きキリスト教的な諸々を捨てて、ただ己の内面に信仰を見出す分にはかまわない。現世利益を捨てさえすれば、内面には干渉しない。そういう枠組みを、イノウエサマ、ひいては幕府の側は繰り返し提示する。司祭は最後に、その枠組みに落ち着くことになる。

考えてみると、カソリックというのは矛盾に満ちている。聖書には「カエサルのものはカエサルに」という賢者の言葉があったはずだが、それをすっかり無視している。「右の頬を打たれたれば・・」も同様だ。ローマの国教になった以上は必然といえばそうなのだが。

一方、イノウエサマの方も、司祭をころばせるために、本人ではなく本人が護ろうとする無力な人々を責め苛むのは、いまの感覚では言語道断の卑劣漢だが、まあそういう時代だったということなのだろう。先人の努力のおかげで、いまの我々がどんなに安楽な生き方ができているか、知るよすがにはなる。

スコセッシ監督は、一応キリスト教世界の人だから、世俗宗教の暗い部分もよく知っているのだろう。それに加えて、日本人についてもずいぶん正しく理解しているように見える。

かなり評価の高い作品としてよいと思う。

|

2017.01.28

「マグニフィセント・セブン」

もうね。キャストを見ただけで何も考えずに見に行くわけです。イーサン・ホーク入ってるし。

そして知るわけです。「七人の侍」を受け継ぐ物語の不滅の輝きを。

何が不滅かといえば、それは彼らの死にざまです。決して生きざまではありません。

正義とか仁義とか侠気とか、そういうものの片鱗は確かにあるでしょう。でも、それ自体が核心なのではありません。

そういう片鱗を抱えて、時代のリアルと折り合えずにはみ出してしまった者どもが、抗しがたいリアルに向き合って死に場所を求める。それこそがこの輝きを生み出すのです。勝手なことを言っています。

でも、正義の実現を求めた彼女は、そのあとすぐに言ったではありませんか。「そして復讐を」と。綺麗ごとではないのです。

ここは、七人の侍とは少し違うところかもしれません。集まった七人と村人との立ち位置は、「七人の侍」においては異なっていましたが、この「マグニフィセント・セブン」においては重なっています。それを知るには、お話のクライマックスまで待たねばなりません。

それがあったがゆえに、デンゼル・ワシントンには志村喬のような、事を成した後の苦い述懐がありません。かれはただ黙って感謝されつつ立ち去るのみです。

死にざまという点では、むしろほかの登場人物の方が、際立っていたわけです。特にイーサン・ホークがそこを受け持つのかと思っていたのですが、一番おいしいところを、にやけ男のクリス・プラットに持っていかれてしまいました。クリスは三船敏郎だったんですね。

ともあれ、たいへんな熱量で満足いたしました。

|

2017.01.21

「ザ・コンサルタント」

マッチョでヘンタイなイメージのベン・アフレックのはまり役。バットマンも似合ってたけど、この会計士はもっと似合います。

冴えない自営業者は世を忍ぶ仮の姿で、その正体は、悪党に鉄槌を下す容赦ない殺し屋。

なんてまあ、ウケそうな定型キャラなんでしょ。必殺仕置き人も真っ青です。
ただまあ、仕置き人のバックアップが時の権力者であるのに対して、この会計士は完全独立自営。しかも違法操業。当局はそれを突き止めながら黙認。このあたりの危うさが、お話の面白さと表裏一体です。

インテリジェンスを担う謎の声だけ女性については、最後に驚きの種明かしが待っている。素晴らしい。コンパクトで効果的。AIじゃありませんよ残念ながら。

この主人公にはしかし、何か正義があるわけではありません。彼が今回敵認定した相手は、単に、自分がちょっと惚れちゃったかもしれない女に危害を加えようとしたというものでしかない。そこいら辺に、この映画のそこはかとないヤンキー風味が感じられます。世のため人のためとかよりも、惚れた女のためにひと仕事、それが一番かっこいいという世界観。

自分の事業がどんなに世のため人のために役立っているかをまくしたてる黒幕を、特に反論もせずに面倒くさそうに一発で撃ち殺してしまうあたりの尖り具合にそれが表れていて、案外、それが今の最先端なのかもしれません。

伏線は全部回収してしまったようなので、続編が作れるのかわかりませんが、微妙さ加減が絶妙な面白キャラの活躍を、また見て見たい気もします。

|

2017.01.15

「イット・フォローズ」

これは・・・むやみに知らない人とナニすると怖い目にあうぞとティーンエイジャーを脅すための都市伝説なんじゃないでしょうか(⌒-⌒; ナニをすると他人に移せて、移すとゆっくりした足取りで真っすぐ追ってくる憑依霊って、性病の暗喩としか思えません。

結局、このモンスターの正体はわからず仕舞い。脅威ではあるけど恐怖という感じでもなく、撃退できたとも思えず。なんだったのでしょうねこの映画は。

一応、観ているうちに対処方法は思いついたから暇にあかせて書いておくと、なんでもいいから布でからめとって、行動できないようにガムテープか紐で縛り上げる。目には見えないけれど実体はあるのだから、まずは可視化することが肝要。そのあとは、警察でも科学者でも呼んで分析してもらえばよい。

昨年の見逃し映画ということで行ったけど、ちょっといまいちだった。

|

«「MERU」